移動図書館は2013年も宮城県山元町と福島県南相馬市で活動しています。 1月25日~26日に移動図書館活動ボランティアに参加いたしました。総務部の小森谷より報告いたします。
ブックオフチェーンとしては、2013年になってからは初めてのボランティア参加となります。 冬の時期、どのくらいの利用者の方が移動図書館に立ち寄っていただけるのでしょうか?
今移動図書館の運営団体であるシャンティ国際ボランティア会のスタッフと運行前に記念撮影。
今回の参加メンバーは5名。全員、できる限りの厚着をして運行に臨みました。
私たちブックオフチェーンのボランティアは、宮城県山元町での運行のお手伝いをしています。
移動図書館は毎回、午前中に2ヶ所、午後に2ヶ所の仮設団地を巡回します。
1ヶ所の仮設団地には、1時間滞在し、本の貸し借りだけではなく、住民の方とボランティアがお話をしたり、住民の方同士でお話をしたりと、交流できるようにしています。
今回は、住民の方が
「今日は、今年で一番寒いなんじゃないの」
というほど、気温も低く、時々雪が舞うこともある中での運行となりました。
風も強く、設営したテントが風であおられてしまうこともあるほど。
「前は、こんなに風強くなかったんだけどね。沿岸にあった木がなくなっちゃったからね。ここまで風がくるようになっちゃったんだね」
と住民の方が教えてくださいました。
本の貸し出しと返却を行うテントでは、お茶やコーヒーをお出ししています。
子どもたちが来てくれたときのためにと、ココアも用意したところ、子どもだけではなく、大人にも大好評!
「甘いものはあったまるね」
と、用意していたココアがなくなりそうなほどの人気でした。
運行当日は土曜日ということもあってか、平日の運行よりも男性の利用者が多い日でした。
男性には、歴史ものやミステリーなど小説が人気です。
元々、小説は移動図書館車の車内に並べてありました。
移動図書館内はそれほど広くないので、女性同士が本を選んでいる中に男性は入っていきにくいかも、と気づいたシャンティさんが、小説を車外から見える場所に並べたところ、男性の利用者数がUP!
試行錯誤を重ねながらより住民の方に利用していただきやすい移動図書館へと、進化を続けています。
立ち寄ってくださった住民の方からは、
「こんな寒い中ありがとうね」
と声をかけていただきました。
「こちらこそ、こんな寒い中を、お部屋から出てきてくださってありがとうございます」
という思いで住民の方をお迎えしました。
既に仮設住宅からは引っ越されても、本を借りに訪れてくださる方もいらっしゃり、移動図書館が住民の方の生活に浸透し始めていることを実感することができました。
ある住民の方から、仮設住宅の軒下で栽培している綿花のお話をお伺いしました。
綿花は塩害に強いということで、塩害を受けた山元町の農地でも栽培されているということでした。
「立派な綿花が咲いたのよ。まだ残っているからおすそ分け」
と住民の方から頂いた綿花。
綿の中には種が入っています。
「種をまいたら、また綿花が咲くよ」
暖かくなったら、種をまいてみようと思います。
毎回、移動図書館の運行後には、シャンティさんとミーティングを行っています。
運行に参加して感じたことの他、こうしたらより一層住民の方に喜んでもらえるのではないか、というアイディアや意見を全員で出し合います。
参加メンバーからは、毎回、それぞれの視点から色々なアイディアが出てきます。
出てきたアイディアのうち、いくつかは、既に移動図書館の活動に取り入れられています。
今回は、天候に恵まれなかったこともあるのか、いつもよりも利用者の方が少ない運行となりました。
参加メンバーの一人は言いました。
「こういう厳しい時期にも移動図書館が運行しているからこそ、住民の方は利用し続けてくれて、その次につながっていくのだということがわかった。それが実感できたから、この時期に参加できてよかった」
と。
まだ、寒さは続きます。
雪や風の中での運行もあることでしょう。
それでも、移動図書館は走り続けます!!