9月20日(金)、21日(土)の日程で参加してまいりました。
FC事業部黒田より報告させていただきます。
今回は私含め6名のメンバーです。
店舗から2名、パートアルバイトさんから3名(前列2名、後列右から二番目)に参加していただきました。
後列左はお世話になるドライバーさんです。
「知人が仙台在住で一度実際に見てほしいと言われた。」
「出身が東北なので力になりたかった。」
「以前参加した社員に勧められた。」
など、参加の理由は様々ですが、各々が想いを持ってのボランティア参加となりました。
前の週に発生した台風の影響もさほどなく、天気は快晴、日中は汗ばむほどでした。
田んぼでは実りの秋を迎え、収穫間近です。
大震災や津波のことを考えなければ、そこにはいつもと変わらない日常があり、季節の移り変わりをただ感じる風景のようです。
9月20日(金)運行前日
まずは津波で被害のあった各所を巡ります。
参加者は事前に津波の映像を見たり、被害状況の説明を受けます。
私も運行に何度か参加させてもらい、参加するたびに同じ映像や説明を受けていますが、何度見ても震える思いがします。
他の参加者も報道だけではわからなかった被害の現状や、津波の恐ろしさを再認識しているようでした。
実際に津波の被害に遭い、仮設住宅に住まわれている運行ドライバーさんに現地を案内してもらいます。
復興住宅の建築が進んでいました。
しかし入居者のほとんどは高齢者と言います。
震災前とは違うお隣さん。気を使うし、若者がいないことで何かあった時に頼れる知り合いがいない、という不安もあるようです。
ここは奇跡の小学校としても紹介された中浜小学校の校庭です。
半年前に見たときは、がれきや廃車になった車が仮置き場として山積みだった場所です。
現在では、きれいに撤去されていました。
校舎の2階天井あたりまで波が来ました。
校舎の上部にある青いプレートは、実際に波が到達した位置だそうです。
校舎から見える風景
津波で防波堤や防風林はなくなってしまいました。今新たな防波堤の建設が進んでいます。
震災から2年半がたち、そこにはただ野原が広がっているようでした。
地域の人たちの生活や、子供たちの笑い声がそこにあったことを思い出させるものは、減ってきているように感じます。
「最初は海の見えるここには来られなかった。海を見ると全部津波に見えるんだよ。」と、
案内してくれたドライバーさんがつぶやきます。
心を握りつぶされるような、そんな気持ちになりました。
一見、復旧復興は進んでいるようにみえます。確かにがれきは減りました。雑草によって覆い隠されてしまっていますが、まだまだ深い傷跡はそこにはあり、これまでの生活とは程遠い現状があると実感させられます。
明日からの運行に向けて気持ちが引き締まりました。
その日私にとっては大きな変化を目にすることができました。
中浜小学校の音楽室に貼られた「ありがとう中浜小学校」という横断幕。
以前まではありませんでした。
震災当日、子供たちは屋上に避難することで命を落とすことはなかったものの、暗闇の中この後どうなるかも想像がつかず、ただただ恐怖と不安に襲われて一夜を過ごした場所です。
海を見ることも、夜が来ることすらも恐怖であったろう子供たちが、同じ場所に来て校舎に感謝したこの横断幕を貼ったかと思うと、涙ぐまずにはいられませんでした。
夜ご飯は恒例となった宿舎での自炊。
今回は、女性陣2名が腕を振るってくれました。
今日見たことや、明日の運行に向けてそれぞれが想いを語ります。
集まったメンバーは、同じ会社ではありますが初めて顔を合わす仲間も多いです。
部署も違えば年代も違うのですが、この時間でぐっと距離が縮まります。
明日からの運行が楽しみです。
いよいよ運行です。
天気にも恵まれたくさんの方に利用していただきました。
最初は慣れないことも多く動きが硬かったものの、あっという間にメンバーで連携を取りながら活動が進みます。
後半になると利用者の方との会話も弾み、子供たちともちょっとした戦いごっこに。
「まだ帰らないで。」とせがむ子供たちに後ろ髪をひかれながらも次の場所へと向かいます。
思ったよりも日差しが強く、タープも使用しました。
あっという間の運行を終え帰路につきます。
夕日がいちご団地のビニールハウスを照らしていました。
冒頭にもあるように、この景色だけを見るとまるで今までもこうだったかのように映ります。
これからさらに復興が進み、震災の爪痕は影をひそめてくるのでしょう。それが復旧復興へのステップだとすれば喜ばしいことです。
しかし、実際に被害に遭われた方たちの心には震災以前の日常があり、そこへ戻りたい、けれど戻れないという現実があります。
私たちにできることは気を紛らわす程度のことかもしれません。しかし、現地でのシャンティさんの継続した活動は、地域の人たちの笑顔に必要なものになってきていると感じました。
私がこの活動に参加させてもらってからちょうど1年がたちます。
1年間で目にし、耳にしてきたものはたくさんあります。
これから新たに参加してくれるメンバーに、これまでの過程や経験をしっかりと伝えながら、この活動を通じて地域の方たちの力になれたらと思います。