2月19日(火)~20日(水)まで、今年3回目の移動図書館活動ボランティアに参加いたしました。
店舗開発部の岩田よりご報告いたします。
2月19日(火)1日目
お昼に仙台駅に集合して、車で山元町の活動拠点、シャンティ国際ボランティア会山元事務所へ伺いました。
今回の参加メンバーは7人、加盟店の社長様にもご参加ただき、ご一緒させていただきました。
事務所ではシャンティ山元事務所の熊島さんが出迎えてくれて、「久しぶり」とか「初めまして」のご挨拶。
熊島さんから山元町の被災状況に関する説明を受けた後、沿岸部に向かいました。
山元町は、震災前、人口約16,700人の町でしたが、今回の震災で600名以上もの方が亡くなりました。
町の基幹産業はイチゴ。震災前は130軒のイチゴ農家がありましたが、栽培施設の9割近くは津波に流され、壊滅状態となりました。
今では復興の一環として、いちご栽培団地の一部完成や個人経営から法人組織の設立などいろいろな復興のための試みが動き始めています。
津波で壊滅した山下駅や、校舎の外観だけが残った分、被害の大きさがより際立つ中浜小学校等、
息をのむ光景が、初めて訪れた者の胸を
わしづかみにします。
明日は、移動図書館の運行日。
仮設住宅を午前中に2ヶ所、午後に2ヶ所巡回します。
夕食は材料を買い出しに行き、皆で自炊して明日への
一体感を!
今夜は鍋でした。
2日目
午前8時の事務所兼宿泊施設の清掃作業から一日がスタートします。
その後、運行前ミーティングで役割の確認や作業の変更点の説明を受け、8時50分にいざ出発です。
今日は、西石山原、内出、箱根、東田の各仮設住宅に伺います。
今天気は良くお日様も照ってくれていますが、とにかく寒い。
ただ、風がないのが有難いです!
寒い中、みなさん外に出てきていろいろお話をしてくれました。
本を借りる方、お話に花が咲く方、皆さん
今回もとても明るく接していただきました。
でも、あの日の話をすると思わず涙を流す方も。
あの日からすべてが変わってしまいました。
代々築き上げてきた全てが流されてしまいました。
そういう中で私たちを明るく迎えてくださる・・・、頭が下がります。
学校帰りの子供たち、今日も来てくれました。
そして、明るく学校の事や友達の事を
わいわいがやがや・・
心温まる瞬間です。
やっぱり天使ですね-。
今日の品ぞろえはどうだったか、
小さな図書館車の中を少しでも充実した本棚にするために、ボランティア参加者も何をどのように並べるか、考えながら進めています。
移動図書館活動がスタートしてから、シャンティさんやボランティアの色々なアイディアを反映させ、
移動図書館は進化し続けています。
少しでも活用していただきやすいように、住民の方からのリクエストにも一生懸命応えていきます。
まだ宮城県山元町でスタートしてから半年ですが、仮設住宅の皆さんの日常の一部になって行けるよう、ゆっくりとでも着実に動いていけたらいいなと思います。
最後の訪問地東田仮設住宅でシャンティさんから
「本日終了です」の掛け声。
一日晴れでしたが、最後は雪も降りだして・・。
寒い中でも、本の返却や、貸し出し期間延長、
新しい貸し出しと住民の方にいろいろご利用いただけました。
事務所に戻ったらすぐ反省会。
ボランティア参加者が感想と意見・提案を発表します。
今回はブックオフグループ会社が運営するTSUTAYAから店長の参加もあり、CDも貸し出せたらいいとか、ブックオフの店長からは図書館車の中にいかに多くのアイテムを陳列するかで本のサイズに関する提案などもありました。
反省会が終わって外に出たら一面真っ白な景色が・・!!
夕方降り始めた雪がしんしんと積もり始めていました。
最後に、山元事務所にある小冊子、「語りつぐ 小さな町を飲み込んだ巨大津波」をご紹介します。
3分冊になっていて、山元町の皆さんがご自分のあの日の事を書いています。
最愛の人があっという間にいなくなってしまう無情な光景が広がっています。
語り継ぐために辛い気持ちを振り切って書き残されたそれぞれの物語は、冷酷な事実として読む者の心を打ち、読み進むことさえためらわれます。
どうぞ少しでも多くの方がこの本を目にし、何かを感じていただくことを願わずにはいられません。
これからも、このときの気持ちを風化させないように、息長く移動図書館活動を継続させてまいります。