3月19日から20日にかけて、移動図書館に参加致しました。
コアメンバー、IT統括部の石毛が報告致します。
今回の参加者は4人。障害者雇用を推進するグループ会社のビーアシスト株式会社の社員2名と、ブックオフ店舗のPAスタッフ、ブックオフオンラインのPAスタッフ1名に加え、コアメンバーの私が参加しました。今回のドライバーは斎藤さんです。
今回の参加メンバーの中には、この山元町におばあちゃんが住んでいましたが、震災で引っ越してしまったという方もいらっしゃいました。私は今回2回目の参加となります。
ボランティア1日目は活動する山元町の紹介と被害の状況や現在をシャンティの古賀さんからお伺いした後、山元町の各地を被災者の斎藤さんにお話を聞きながら周りました。
震災から3年もたちますが、まだまだ復興が終わっていないという事を感じました。
当時駅だった場所も建物が流されたり、撤去されていて、言われないとここが駅だったとはとてもわからないような状況です。
建物を建てる事が許可されず、津波に流されたままの土地が未だたくさんあります。車で移動中、何もない荒れ地を指さして、「ここが私の家だったんだよ。駅前で便利だったんだけどなぁ・・」ともらしたのがとても印象的でした。斎藤さんは今でも仮設住宅で暮らし ています。
各所を周るうち、前回参加した時には何もなかった場所に、山元町名物のいちごを栽培する大きな施設が出来ていました。中は美味しそうないちごが実っており、いちご狩りも可能です。隣接するカフェには県外からもお客さんがいらっしゃるそうです。徐々にではありますが、復興が進んでいる事を感じる事が出来ました。
2日目はいよいよ移動図書館車で仮設住宅を回ります。
今回は、ナガワ→町民グランド→熊野堂→旧坂中の4ヵ所を斎藤さんと一緒に回りました。
改めて、ボランティア活動を通じて我々の「やること」ですが、単に本の貸し出しを受け付けたり、リクエスト頂いた本をお渡しする事だけではありません。移動図書館を通じて、本を探したり、本について話をしたり、一緒にお茶をのんで会話を楽しんだり・・・交通も不便で外部の人となかなか交流する機会も多くない仮設住宅の方と触れ合う事が目的でもあります。
今回の活動中は珍しく本格的な雨が降り、気温も低めな中で開始されました。参加メンバーは皆初参加だった事もあり、最初は緊張していましたが、徐々に住民の方との会話が増えていきました。
天候の悪さもあり、利用者の数も心配でしたが、今回も図書館を楽しみにしてくださった方がたくさんこられました。雨の中、いたるところが滑りやすくなっており、特に車内に入る階段には注意が必要でした。
お茶出しや貸し出し業務も、集会所の中で行いました。荷物を集会所に運び込むと、集会所にいた方たちから「今日は図書館きてるの?」などとお声掛け頂けたりして、会話がはずむ場面もありました。
手芸が趣味の方と大盛り上がりです。手軽に出来る手芸は仮設住宅の中で趣味として人気があるようで、本も借りていく方がたくさんいらっしゃいます。
今回も雨の中、たくさんの方が利用してくださいました。お話ししていると、年々仮設住宅を出ていく方が増えてきており、住んでいる人は減ってきているとの事でした。長い間一緒に生活していくうちに、家族同様の付き合いをしていた人たちもいて、寂しい気持ちもあるとの事でした。
そうした中で感じたのは、残っている・残された方たちは徐々に他の人との交流の回数が減ってきてしまっているのでは?という事でした。我々の移動図書館は、もしかしたらそういった方たちと定期的に触れ合う事ができるという意味でも、意義のあることではないかという事を強く感じました。「もう利用者が減ってきたからやらなくていいかな」と、なってはいけないのだなと思いました。
最後に、ドライバーの斎藤さんがこんな事をいって下さいました。
「家も流されて、大変な目にあって、一時期精神的にまいっちゃった事もあった。でも、このボランティアをやってみないかと言われ、やってみたら、あなたたちがわいわい来てくれて、一緒に活動しながら色々話を聞いてくれた。実際やってもらわないとわからないと思うけど、これは本当にありがたかったんだよ。体調もよくなっちゃった(笑)」
「もし、君たちが同じような目に会う事があったら、必ず僕たちが行ってあげるからね」
自分たちのやっている事が誰かの力となっている事と、深い絆を感じる事ができました。