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人には本がいる。BOOKS TO THE PEOPLE 2012-2013 プロジェクト

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2012-2013 プロジェクト 活動報告 ~移動図書館活動のボランティア参加~

2013年10月 「明日は、もう誰にも会えない、と」・・・・

10月2日から3日、移動図書館活動に参加しました。
コアメンバー、総務部小森谷からご報告いたします。

2012年10月に開始したボランティア活動も、今回で、23回目。
延べ104名のブックオフチェーン従業員が参加しました。

参加メンバー

今回のボランティア参加者は、5名。ブックオフコーポレーションの社員4名と、ブックオフ店舗のアルバイトスタッフ1名です。その他にボランティアをサポートするコアメンバーが2名。
写真左端の方が、移動図書館車ドライバーの方。移動図書館車のドライバーさんは3名いらっしゃり、今回のドライバーは斎藤さんです。

ボランティアも、「東北出身なんです」「震災当時、いてもたってもいられず、埼玉の避難所に歯ブラシを届けに行った」と、東北の被災地へ、ずっと気持ちを持ち続けていた人達が集まりました。

ボランティア活動は、1泊2日の日程。
1日目は、山元町の沿岸部を斎藤さんと一緒に回ります。
斎藤さんも、震災当時、壮絶な体験をされました。その体験を斎藤さんならではの語り口で、私たちにお話していただきました。
当時を思い出してしまうから、と、つらい気持ちになってしまうこともたくさんあると思いますが、それでも、「自分は残った。この体験を伝えていくことが自分の役目」だと、ボランティアに伝え続けてくれています。
こうやって、斎藤さんが話をしてくれることを、伝えていくのも私たちの役割の一つだと心に刻みます。

災害当日のDVDを見る

山元事務所で、山元町の震災当日のDVDに見入るボランティアたち。
家が流され、津波の被害が拡大し、画面からは、女性の叫び声が聞こえてきます。
映像が終わった後、誰も何も言うことができませんでした。

10月3日、2日目の朝。移動図書館の運行日です。
朝の掃除中。
2日目の朝は、宿泊させていただいた公益社団法人シャンティ国際ボランティア会の山元事務所を掃除するのが恒例となっています。

山元事務所の清掃_01

山元事務所の清掃_02

前日は、台風の影響で雨でしたが、この日は雨があがり、ほっとしました。
ドライバーの斎藤さん曰く、「俺、晴れ男なんだ。運行の日に、雪も雨もほとんど降ったことないよ」とのこと。
確かに、この日は、暑くもなく、風も強くなく、運行日和。「斎藤効果」でしょうか。

午前の運行
交流_01
交流_02

運行中、ボランティアは、受付、お茶出し、本の返却処理などいくつかの仕事を任せていただいています。

でも、中心は、住民の方とのお話。

運行に参加したボランティアが驚くのは、住民の方の明るさ。
「コーヒーいかがですか?」とお声掛けすれば、笑顔で、「ありがとう。いただくわ。」
「お前も飲んでいけ」と住民の方同士で誘い合ったり。

最初は少し緊張していたボランティアも、住民の方の笑顔のおかげで、自然にお話ができるようになっていきます。
それでも、時々、住民の方からは、
「本が大好きだったのよ。でも全部流されちゃってね」
「今は一人で仮設に住んでるの。さみし・・・・くなんかないよ笑」
と、震災当時の話が出たり、今の暮らしをお話してくれたり。
そういったお話を聞くたびに、私たちの心には、前日見た、震災当日の映像や、沿岸部の光景が浮かんで、胸が熱くなります。

午後の運行

午後の運行ともなると、受付デスクやタープ(日よけ)の設営なども、ボランティア同士で、段取り良く進めることができるようになりました。

ボランティアも慣れてきて、“出張”もするように。
これは、移動図書館車から少し離れたところでお話していた住民の方にボランティアが“出張”しているところです。
「今日は関東の方から来たんです」と言うと、
「そんな遠くから、ありがとうね」と。

ボランティア”出張”

頂いた枝豆

そして、
「これ食べて。売ってるのと全然違うから。おいしいよ!!」
と手渡されたのが、たくさんの枝豆。
早速、一つ頂くと・・・おいしい!!
味の濃さが、市販のものとは全く違います。
結局、次に訪問した仮設団地でも、住民の方と一緒にぱくぱく。
こんなに頂いたのに、全て食べてしまいました。

今回、住民の方のお話とともに、心に強く残ったのは、移動図書館車ドライバー斎藤さんの人柄とお話です。
常に明るく、どこの仮設団地へ行っても、お知り合いの方が多い斎藤さん。住民の方はもちろんのこと、私たちも斎藤さんとの時間を楽しく過ごさせていただきました。

「矢ればできる」

これは、斎藤さん作成の「矢ればできる」。
割り箸でできた矢に、五円玉が入っています。
一見すると、どうやって五円玉を入れることができるのか、わかりません。
ボランティアも、この“五円玉の謎”解きに挑んだり、斎藤さん自作の知恵の輪に挑戦したり。
ちょっと苦戦していると、「わからない??」と嬉しそうにその“謎”を教えてくれた斎藤さんなのでした。

そんな斎藤さんの運行終了後のミーティングでのお話。
「震災のあの日、私は、“あぁ、明日は、もう誰にも会えないんだろうな”、と思った。
それが今は、こうやってこの仕事をやらせてもらって、たくさんの人に会えて。
たくさんの人と出会えることが、今は本当に宝物。
もし、私が皆さんの立場だったら、皆さんみたいに行動できるかわからない。本当にありがとう、と思う。
いつも笑顔で別れよう、と思うんだけど、ね、どうしても涙が出てしまう・・・・」

ボランティアは、一人ひとり、斎藤さんとがっちりと握手をして、別れました。
また、山元町に、斎藤さんに会いに来よう、と決意して。
今回もたくさんの良い出会いがあった移動図書館活動となりました。

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